TOEICの先読みって何?
なかなか先読みができない…
先読みのやり方やコツを知りたい!
TOEICを勉強している人であれば一度は「先読み」というテクニックを聞いたことがあるでしょう。
先読みはリスニングのスコアアップに欠かせないテクニックです。
ただ、「なかなか先読みができない…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
先読みをせずに、リスニングで高得点を取るのは至難の業です。英語力が高くても、先読みなしでは良いスコアは取れません。
逆に、先読みをマスターできれば、一気にスコアが伸びていきます。
実際、私の生徒さんの中には、先読みを習得した途端、スコアが急激に上がった人がたくさんいます。
そして、私も、公開テストでは先読みを行い、毎回満点を取得しています。
ただ、先読みは、ただ漠然と読めば良いってもんではありません。
注意すべきポイントやコツがあります。
そこでこの記事では、TOEIC満点の筆者が、先読みのコツや具体的なやり方を分かりやすく解説していきます!
Contents
TOEICリスニングの先読みについて
先読みとは
先読みとは、音声が流れる前に設問と選択肢を前もって読んでおく行為です。長文リスニング(Part3とPart4)で先読みを行います。
TOEIC Part3とPart4では以下のように、1つの問題につき設問が3つ、選択肢が4つあります。
Q1 What are the speakers discussing?
(A) The relocation of an office
(B) The travel plans
(C) The new employees
(D) The sales promotion
Q2 What problem does the man mention?
(A) Orders cannot be cancelled.
(B) A new employee will arrive late.
(C) Trains have been delayed.
(D) The store has been closed.
Q3 When will the women most likely visit the office?
(A) Today
(B) Tomorrow
(C) Day after tomorrow
(D) Next month
上記を約20~30秒ほどで読む必要があるので、かなりのスピードで読まなければなりません。
そもそも先読みしていいの?
でも、先のページをめくって、先読みしていいの?と考えている人もいるでしょう。
結論、リスニングセクションの先読みであればOKです。
例えば、パート1の Directions(指示文)が流れている時に、パート3の設問を読むのはOKです。
しかし、リスニング中にリーディングの問題を解くことは禁止されています。
あと、ついでに言っておくと、問題用紙への書き込みも禁止なので、気をつけてね。
TOEICで先読みするメリットとは?
TOEIC Part3とPart4で先読みをするメリットは以下の3点。
- 問われる内容を事前に把握できる
- 記憶力に頼らなくてもよくなる
- 正答率が上がる
それぞれ解説します。
問われる内容を事前に把握できる
先読み最大のメリットは、音声が流れる前に問われる内容を把握できる点です。
例えば、
What problem does the man mention?
(男の人はどんな問題に言及していますか?)
という設問を先に読んでおけば、「男の人が何か問題を述べるんだな」ということが事前に分かります。
音声が流れてきたら「それがどんな問題なのか」を聞き取ればいいだけです。
このように事前に設問を先読みすることで、聞き取るべきポイントを待ち構えることができます。
記憶力に頼らなくてもよくなる
先読みをせずに、
音声を聞く→ 設問・選択肢を読む → 解く
という感じで解くと、音声の内容をすべて頭に入れて、記憶を頼りに問題を解いていくことになります。
音声の内容をすべて記憶しておくのは、英語上級者でも難しいです。一部を聞き逃すこともありますし、忘れてしまうこともあります。
一方で、3つの設問を先読みしておけば、聞き取るポイントを3つに絞ることができます。すべてを覚えておく必要はありません。
正答率が上がる
先読みなし、先読みあり、どっちのほうが正答率が高いか。
圧倒的に先読みありです。
そりゃそうですよね。
先述した通り、先読みしとけば、3つの情報だけを聞き取ればいいのですから。
先読みする→ 難易度が下がる → 正答率が上がる → スコアが上がる
ということです。
TOEIC先読みの具体的なやり方
TOEICリスニングの先読みの手順は以下の通り。
- Step 1:Part1と2のDirectionsの間に図形問題を確認
- Step 2:Part3と4のDirectionsの間に最初の問題を先読み
- Step 3:頭の中で設問を繰り返す
- Step 4:マークシートに印をつける
- Step 5:一気に塗りつぶす
- Step 6:設問の音声が流れている間に次の設問を先読みする
順番に解説しますね。
Step 1:Part1と2のDirectionsの間に図形問題を確認
Part1とPart2が始まる前に Directions(各パートの説明文)が流れます。この Directionsは毎回同じなので、聞く必要はありません。
(一度もDirectionsを聞いたことがない人は、TOEICの公式サイトで聞けるので事前に確認しておいてくださいね。)
Directions の時間を利用して、Part3・4の図形問題を確認しましょう!
図形は細かいところまで覚える必要はありません。図形の種類(クーポン、地図、売上表など)を確認して、問題のトピックを掴むようにしましょう。
設問や選択肢を先読みしても問題を解く頃には忘れちゃうからだよ。一方、図形は視覚的な情報だから記憶に残りやすいんだ!
この段階でチラッと見ておくことで、その問題にたどり着いた時に、設問と選択肢の先読みに集中できるよ。
Step 2:Part3と4のDirectionsの間に最初の問題を先読み
Part3と4のDirectionsが流れている間に、各パート最初の問題の設問3つと選択肢4つを読んでいきます。時間が足りない人は設問だけでも大丈夫!
設問を読んだら日本語で要約しましょう。ポイントは、翻訳ではなく要約することです。悠長に翻訳している時間はありません。
例えば、
Where does the conversation most likely take place?:会話どこ?
What does the man suggest?:男何を提案?
What will the woman probably do next?:女次なにする?
という感じで要約します。自分が普段使う言葉使いで要約すると記憶に残りやすくなりますよ。
Step 3:頭の中で設問を繰り返す
設問を3つ読んで日本語で要約したら、それを何度も頭の中でくり返しましょう。
例えば、
Q1 What does the man say he wants to do?
Q2 What is the problem?
Q3 What does the man ask about?
という3つの設問があったら、音声が流れるまで間、
「男何したい?」「どんな問題?」「男何聞く?」と頭の中で繰り返します。
この3点が聞くべきポイントです。
Step 4:マークシートに印をつける
答えがわかった段階で、マークシートに印を付けておきましょう。
小さい点やチェックとかで良いです。
この段階では、まだマークシートは塗りつぶさなくてOK。塗りつぶしていると、塗りつぶすことに意識が持ってかれて、音声を聞き逃してしまいます。
音声聞く
↓
1問目の答えがわかったら印を付ける
↓
音声聞く
↓
2問目の答えがわかったら印を付ける
↓
音声聞く
↓
3問目の答えがわかったら印を付ける
という手順で、印だけつけておいてください。
Step 5:一気に塗りつぶす
3つの答えがわかった段階で、一気にマークシートを塗りつぶしましょう。
次の問題の先読みに時間を使いたいので、なるべく速く塗りつぶしてください。
普通の鉛筆やシャーペンだと時間がかかるので、以下のようなマークシート用のシャーペンを使うことをおすすめします。
このシャーペンだと、芯が極太なので、速くマークすることができます。
数百円で、TOEICのスコアが上がると思えば、安いもんです。
Step 6:設問の音声が流れている間に次の設問を先読みする
本文の音声が流れた後に、設問の音声が約35秒ほど流れます。その35秒のうち、約5~10秒をマークする時間に使い、残りの時間で次の問題の設問(できれば選択肢も)を先読みします。
流れとしてはこんな感じです。
- Q1-3の本文が流れる(3つの答えを見つけ印をつける)
- Q1-3の設問が流れる(マークシート塗りつぶし&次の設問(Q4-6)を読む)
- Q4-6の本文が流れる(3つの答えを見つけ印をつける)
- Q4-6の設問が流れる(マークシート塗りつぶし&次の設問(Q7-9)を読む)
このリズムを崩さずに、Part3・4を最初から最後まで解いていきます。
先読みのポイント・注意点
先読みをするときのポイントや注意点は以下の3点です。
- イメージを膨らませながら先読みする
- 捨てる勇気も必要
- すべてを先読みできなくてもOK
一つずつ解説します。
イメージを膨らませながら先読みする
設問・選択肢を読んだら、頭の中で内容をイメージしましょう。短い時間でもいいので、一度イメージすると記憶に残りやすくなります。
以下の例題をイメージしてみてください。
Where does the woman work?
(A) A furniture shop
(B) A travel agency
(C) An advertising agency
(D) A manufacturing company
(A) の A furniture shop (家具店)を読んだら、ニトリのような家具店で働く女性をイメージします。
(B) の A travel agency(旅行代理店)だったら、JTBのようなところで働く女性のイメージです。
捨てる勇気も必要
聞き取れなかった問題は、潔く諦めましょう!諦めないと以下の悪循環が起こります。
聞き取れなかった問題に執着する
↓
次の問題を先読みできなくなる
↓
先読みしてないから問題を解くのに時間がかかるし、解けない
↓
次の問題を先読みできなくなる
↓
先読みしてないから問題を解くのに時間がかかるし、解けない
すべてを先読みできなくてもOK
すべての設問と選択肢を先読みするのが理想ではありますが、時間内にすべてを読み切るのは相当難しいです。
「まだ速く読めない」「いつも時間が足りない」という人は設問を優先的に先読みしましょう。
選択肢は時間がなかったら読まなくて大丈夫です。3つの設問さえ先読みできれば、問われている内容は把握できます。
3つの設問を読んでなお時間があれば、以下のように文字数の少ない選択肢から優先的に先読みをしていきましょう。
When will the women most likely visit the office?
(A) Today
(B) Tomorrow
(C) Day after tomorrow
(D) Next month
先読みの勉強法
スピーディーに先読みするための勉強法は以下の2つ。
- 設問・選択肢の精読・音読
- まとまった数の問題を解く
一つずつ解説します。
設問・選択肢の精読・音読
まずは設問・選択肢を精読しましょう。精読とは、単語、構文などを一つ一つ確認しながら読んでいくことです。
例えば、以下の文
What does the woman ask the man for?
(男の人は女の人に何を求めましたか?)
「Ask 人 for ~=人に~を求める」という熟語が使われています。
この熟語を知らなかったら、速く読むどころか、ゆっくり読んでも意味がわかりません。なので、まずは設問・選択肢を精読して、正しく理解するところから始めましょう。
精読で正しく読めるようになったら、次にやるべきことは音読です!文章の意味を考えながら何度も音読することによって、意味処理のスピードが上がりますよ。
まとまった数の問題を解く
先読みのリズムを身につけるには、まとまった数の問題を解くようにしてください。
Q1~Q3を解いて休憩、Q4~Q6を解いて休憩、という感じで問題演習している人もいるかもしれませんが、それだと先読みの練習になりません。
本番と同じように、問題用紙とマークシートを使ってPart3は39問、Part4は30問を通して解く練習をしましょう。
まとめ【TOEICリスニング Part3・4 先読みのやり方・コツ】
当たり前ですが、やり方やコツを理解しただけでは、先読みはできるようになりません。実際に頭、目、手を使って問題を解くことで初めて先読み力が付きます。
リズム良く先読みができるようになれば、大幅なスコアアップが期待できます!
ぜひ今回の記事を参考に、先読みをマスターしてくださいね!
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